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Z1300のコンプリートバイクがついに完成!

1978年のドイツ・ケルンショーで華々しくデビューしたカワサキのZ1300。
そのスペックは直列6気筒の水冷DOHC2バルブの1286ccで、国産メーカーの車両としては当時最大の排気量を誇っていた。
6気筒モデルとしてはホンダのCBX1000の後発ではあるものの、カワサキがZ1300をフラッグシップモデルとして位置付けていたことは、世界中のメディアを地中海のマルタ島やアメリカのデスバレーに招待して開かれた発表試乗会からも窺える。
非常に完成度の高いバイクではあるものの、重量が296㎏と重く、世界のマーケットニーズとは少し合わなくなった1989年で姿を消すこととなった。
巨大戦艦のような車体をしなやかに乗りこなすにはそれなりの体力とテクニックが必要となるが、その異端のモンスターの乗り味は奥が深い。回転バランスの良いスムーズな6気筒のエンジンやそのエキゾーストノートに胸が高鳴るというファンも少なからず存在し、発売以来30数年を経た今日もそのユニークな個性は色あせる事無く、多くのファンを魅了し続けている。

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私がこのバイクと最初に出会ったのは、1987年頃だった。外品マフラーを装着したお客様が、爆音を響かせながらはるばる東京から弊社を訪ねて来られた。「パワーが出ないこのマフラーを何とかして欲しい」ということで早速試乗してみると、確かにマフラーの音ばかり大きくて、レスポンスも悪くひどいものだった。
でも少し改良してみれば良いバイクになることを確信し、少し時間を頂いて早速チタンマフラーを製作した。

世界中にコアなファンがいるけれども、当時は世界のどこを探してもまともな部品が出回っていないのが現状だった。
弊社もデモ車製作のためアメリカからZ1300の逆輸入車を数台取り寄せたし、車両も何台か販売した。
そんな中、マフラーやステップ、キャブレターやピストンキットなどいろんな部品を製作して欲しいと、駆け込み寺のように弊社を訪ねてくる人が後を絶たなかった。
色々な課題をお客様から頂き、少しずつ改良を加えていく中で、私自身もこの巨大戦艦のようなバイクの魅力にどんどんのめり込んで行った。
目は爛々と輝き、全身にアドレナリンがほとばしる。生きている実感と夢心地が交錯する。大きなバイクの大きな走りと、まるで楽器か、はたまた野獣の雄たけびかとでも表現すれば良いのか、言葉を失うほど魅力的で美しいエキゾーストサウンドを聴きながらこのモンスターを思い通りに操る醍醐味は正に至福の時間である。

素材が良いから改良していけばどんどん良くなってくる。その最終到達点となるのが、ファンの要望にもあったMAGTANホイールの製作だった。

しかし、この開発だけは一筋縄ではいかなかった。シャフトドライブは特殊な構造であり、チェーンドライブのように簡単にホイールの換装が出来ない。
また、鍛造型から製作しないといけないという壁があり、コストの問題からしてこれまで着手には至らなかった。開発しても数が出ないのは最初から分かっているから、採算のことを考えたら赤字になるので誰もチャレンジしないはずだ。
ホイールの開発には正直なところためらいもあった。しかし、誰もやらない事にでもチャレンジしようという精神こそが真のエンスージアストであり、JBの真骨頂であると自分に言い聞かせながら、昨年冬から本格的な製作に取り掛かった。

Z1300用のマグネシウム鍛造ホイールは既に市販化されてはいる。ドイツの某メーカーが販売していたのは、シャフトドライブなのにホイールのセンターが出ていない。チェーンドライブであればホイールが多少ズレても、左右のチェーン引き調整でホイールを振ればさほど大きな問題にはならない。
しかし、シャフトドライブの場合には、ギアがカップリングでドライブシャフトのセンタ-がズレると平衡が保てないのだ。
ただタイヤが付けば良いという考えのもと製作されたと思われるホイールだから、スピードを出した時には車体が左右に大きくぶれて危険であるし、もちろん左右のコーナーでの曲がり方は大きく異なるし、フロントタイヤは左斜め後方から受ける駆動力を修正しながら走るのですぐに変磨耗してしまう。ただリムが太くなっただけでホイールの重量も重たいし何とも具合が悪い。

この特殊なバイクに寸法的にも正しいホイールで、狙い通りの最新ラジアルタイヤ(4.00-18/150-70-18)を装着出来るかというのは実際に付けてみるまで分からない。タイヤがピッタリと装着出来、前後とも最適なタイヤプロフィールが得られるリム幅(リアの4インチに対してフロントは3.125インチ)を試行錯誤の末、算出し、1年掛かりで完成したのがこのホイールである。
STDホイールと比較すると、ホイール剛性や耐久性を維持しつつ、フロントが3.2㎏、リアが2.6㎏で合計5.8㎏の軽量化にも成功した。重いZ1300がまるでZ1のように俊敏に、しかも安定して自在に走った瞬間は「やったー」と思わず叫んでしまうほどイメージ通りの走行性が実現出来、大いに感動した。

春の雪解けを待って、このZ1300のコンプリートバイク試乗会も開催予定だ。幻の名車をぜひ一度走らせてみたいという人に、6気筒の魅惑のサウンドやハンドリングを体感していただきたい。併せて、コンプリートバイクの製作も着々と進行中。5台限定の予約販売を行いますので、お問い合わせは弊社まで。

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