投稿記事一覧

ミラノショー見聞録

11月2日、先月開かれたドイツ・ケルンショーの後のミラノショーという事で、一体どんなショーになるのか、あまりイメージが湧かないまま、関空発11時15分のLH741便に乗った。飛行機はエアバス社A340-600とANAとの共同運航便で、座席はびっしり満席状態。世間の不景気などどこ吹く風というほど観光客でいっぱいだった。

フランクフルトで飛行機を乗り継いで、ミラノ・マルペンサ空港に着いたのは2日の夕方17時45分だった。ちなみに日本と現地の時差は8時間。そのままタクシーでホテルに向かった。
以前訪れた時、ミラノショーの会場は街の中心部にあった。いつもひどい渋滞に巻き込まれ、会場への往復に大そう時間がかかった事を思い出した。

20101117-1

郊外に移された今の会場は、入場ゲートのすぐ隣にホテルが有り、歩いて行けるのは大変ありがたい。ここにも、より多くのショーを誘致するための「改善」がなされており、世界の変化が見られた。

その日の夜はイタリアの旧友と久しぶりの再会を果たした。イタリアワインとサラミ、プロシュートにマスカルポーネケーキにエクスプレッソコーヒーなど、旨い料理と美酒に酔いしれ、尽きぬ昔話に夜が更けるのも忘れてしまうほどだった。

さて、今回のミラノショーは10年前の頃とは本当に様代わりした様相だった。ドイツのBMWを筆頭に、イタリアのドゥカティ、アプリリア、MVアグスタ、イギリスのトライアンフなどヨーロッパ各社が多くの新機種を揃えていた。俄然勢いがあり、さながらヨーロッパ勢の反撃が始まったという感じだ。「彼らは本気だ」。

もちろん日本車勢も負けてはいない。特にカワサキの黒と緑のブースは異彩を放ち、ギャラリーを魅了していた。中でも、3年ぶりにフルモデルチェンジした新ZX-10Rは、市販車に加えJBマグタン4を装着したワールドスーパーバイク(SBK)仕様のワークスレーサーも一緒に展示され、黒山の人だかりが出来ていた。また、W800やEN-6、Z1000SXなども予想以上に大人気で、ヨーロッパ市場でもパワー競争のみでは無く、実用性を求めるファンのニーズを確認できた。代わる代わる展示車のW800にまたがって、ポジションや感触を確かめる人たちを見て、自分が考えていた事が正しかったと、あらためて実感した。

20101117-2

詰め掛けた大勢のバイクファンや、関係者を見て気付いた。今でも多くの人たちがこんなにもバイクを愛している。そんな姿を目の当たりにして、ちょっと不景気かも知れないけどバイク離れなんて全く無く、人々の興味は尽きないと確信した。
そして、少し自信をなくしかけた日本のメーカーも更なるチャレンジを続けて欲しいと思った。

20101117-3

20101117-4

11月5日、ホテルで朝食を済ませ、急いでミラノ・セントラルステーションに向かう。午前9時過ぎ、やっぱり市内の交通渋滞は変わらない。しかし、何度来てもこの大理石造りの巨大なミラノ駅の建物を見ると、その大きさと美しさと荘厳さに圧倒される。歴史の重みと、哲学の違いといってしまえばそうなのかもしれないが、それにしても素晴らしい。

20101117-5

10時15分発のFreccia Rossa(赤い矢と言う意味のイタリア版新幹線のような快速特急)ナポリ行きに乗り、1時間程でボローニア中央駅に着いた。
ここへは、BMCエアーフィルター社を訪問するためにやって来た。
BMCは、今年ワールドスーパーバイクで優勝したアプリリアレーシングチームをはじめ、BMWモトラッドWSB、ヤマハWSB、アルスタースズキWSBチームなど、多くのワークスレーシングチームに使われるエアーフィルターを供給するメーカーだ。
元々は、フェラーリF-1用のエアーフィルターの開発供給からスタートしたのだが、その後、マクラーレンメルセデスF-1やトヨタF-1、またドイツDTMのアウデイ、BMW、メルセデスベンツ、ルマン24時間耐久レース用ポルシェ、アウデイなどのレーシングフィルターで業績を伸ばし、今ではトップブランドになったメーカーだ。

7年ぶりに訪れたBMC社は、真新しい生産ラインに加え新設のオフィスビルと、カーボンコンポジット工場が増設されていた。整然とオーガナイズされた工場にモチベーションの高い社員が黙々と働く姿を見て、イタリアもこんなに変わるのかと、認識を新たにした。
実は、社長のベルガミ氏とは私が20代の頃アメリカで出会って以来、30年来の旧知の親友である。一時は一緒に会社を興す計画もしたが、その後お互いに独自の道を歩んで来た。
この不景気の中、今期は創業以来の最高益であったとの話を聞いて、この旧友の成功が我が事のように嬉しく、夜遅くまでサンジョベーゼ(ワイン)と募る話に華が咲いた。

この後ドイツ、ミュンヘンにもう一組の旧友を訪ねる事になるのだが、その話はまたの機会にするとしよう。

帰路の飛行機の窓から見る銀色の翼とその下で轟音を上げる灼熱のジェットエンジンを見ていると、数日前にエンジンカバーが吹き飛んだカンタス航空の事故機、エアバスA380総2階建てスーパージャンボのニュースの事が脳裏に浮かんだ。

大丈夫だ。9時間後にはまた日本だ。心の中でつぶやいた。

20101117-6

コーヒーブレイクミーティングに参加して

9月5日に鳥取・境港で行われた「カワサキコーヒーブレイクミーティング」に参加しました。参加された方はご存知かと思いますが、事前申し込みや参加料は一切かかりませんし、バイクで集まった人たちが会場に集まり、コーヒーを飲みながらお互いのバイクを見たり語らったり、そしてまたツーリングを続けたり、帰って行ったりというとても気軽なイベントです。30度を超す残暑の中での開催でしたが、1200台の来場者で会場は大きな熱気に包まれていました。

このミーティングに参加するのは、一昨年の神鍋、今年春の直入に続き3回目となります。
BITO R&D本社がある豊岡までわざわざ足を運んで下さる方もありますが、ふらっと立ち寄るには距離があります。当社の製品を直に見たいけれど、何となく敷居が高いなと感じておられる方が多いのではないでしょうか。

今回のイベントに参加することによって、そんな垣根を越えて幅広い方に当社の製品を見て触れていただくことができたと思います。そしてカスタムという素晴らしい世界があるんだということを知ってもらえるきっかけ作りが、少しは出来たのではないかなと感じています。

20101015-1

カワサキコーヒーブレイクミーティングin神鍋(2008年10月)

■バイクは人生を楽しむための道具です。
カスタムは一部のマニアが楽しむ特殊な趣味であるという認識が一般的ですが、それは違います。また、バイクはカスタムしなくても、スタンダードで充分にその機能を発揮すると考えている人が世の中の大多数だと思いますが、私は、市販車はあくまでもベース車両と考えています。
市販車は、車両価格を少しでも抑えるために最大公約数的にまとめ上げられたスペックであり、バイクメーカーが考える最高のバイクではないのです。ユーザーの嗜好に応えるためには、さまざまな課題や制約があります。
少し手を加えるだけで、見違える程優れた性能を発揮するマシンになるということを知っているのは、それを経験したほんのわずかの人たちだけです。今よりもっとバイクが好きになり、より楽しいバイク人生を送る方法が目の前にあるのに、それを知らないまま人生終わるのは大変もったいないことだと思いませんか。

少しでも多くの人にバイクの楽しさや喜びを伝え、その素晴らしい世界の扉を開いていくのも我々の使命だと考えています。そのきっかけ作りのために、展示会やミーティングなどにも積極的に参加し、コンプリートバイクを見ていただいたり、実際に試乗し体感していただいたりする場をご提供していきたいと思っています。

まずはその第一歩として、10月8日からコウノトリ但馬空港ロビーをお借りして、当社のコンプリートバイクを展示させていただくことになりました。日曜、祭日にツーリングで来られる方や出張で利用されるビジネスマンや学生さんなどにもぜひ興味をもってご覧いただきたいですし、興味のある方はぜひこの機会に空港まで足を運んでいただけたらと思います。

コウノトリ但馬空港ロビーにコンプリートバイクやパーツを展示

コウノトリ但馬空港ロビーにコンプリートバイクやパーツを展示

これからは当ブログを通じて皆さんに様々な情報発信を行っていきますので、どうぞお楽しみに。

  • MAGTAN 注文書
  • 二輪
  • 中古情報
  • 生産体制・品質